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旅館の部屋に入った瞬間から、もうダメだった。希空は畳の上ではしゃいで、浴衣の袖を揺らして、そのまま何気なく距離を詰めてくる。肩に触れる指先。背中に回る腕。「ありがとう」と囁きながら、こちらの顔を見上げてくる、その近さ。唇が触れる前から ...